当社は模型動力が無かった時代にスチームエンジンを手がけてから半世紀以上、今までに無かった製品をタイムリーにお届けして参りました。エンジン模型は奥行き深いホビーの世界と考え、SAITO製品を手にした人が、”良かった”と思える作品を作り続けたいと考えています。
スチームエンジンへのこだわり
産業向けの製造業務が多忙だった高度成長期、オイルショックを契機に初代社長・斉藤源がホビー業界に参入し最初に製品化したのは、スチームエンジンでした。ピストンバルブのエンジンが、復興期の日本で愛されました。その後、現在のD型バルブのスチームエンジンが製品化され、中小企業庁の輸出向優秀商品に選定されました。スチームエンジンは優秀なボイラーがなければその能力を100%発揮できません。SAITOのボイラーは その丈夫な構造に独自開発の十分な火力を誇るバーナーでスチームエンジンの能力を十分発揮させます。バーナーの燃料は入手が楽なアルコールで、指定量を守る事で決まった燃焼時間で火が消える安心設計。大切なボイラーを空焚きから守ります。
エンジンとボイラーは錆が発生しない、砲金、真鍮、そしてステンレスを主に使用し、十分な耐久性を誇ると共に、美しい輝きを放ちます。入門向けの炙りボイラー、単動式エンジンからマニアをうならせる多気筒複動式エンジンまで、現在も豊富なラインアップを誇り、世界中のファンの心をときめかせています。
4サイクルエンジンへのこだわり
初代社長・斉藤源は旧中島飛行機のエンジニア出身でした。その技術力を駆使し、スチームエンジンに次いで単気筒4サイクルエンジンの開発を開始しました。「実機らしさの追及」に拘った初代モデルの開発には、長い時間と苦労を費やしました。2サイクルエンジンが主流の当時、実用的な4サイクルエンジンの市販化は難しいとされていましたが、試行錯誤の末、加工上の難点を克服し、昭和54(1979)年、ついに初の単気筒4サイクルエンジンFA-30を発表しました。実機に近いエンジン音とパワーを目指した「SAITOエンジン」は、FA-30は手軽な小排気量4サイクルエンジンとして爆発的なヒットを記録し、モデラーの支持を集めるようになりました。
その後、当初から念願として目指していた星形多気筒エンジンを開発。スケールモデラーの楽しみ、こだわりを更に充実させるべく、4サイクルエンジンのラインナップは多様な排気量化、多気筒化を実現して参りました。
2006年、現社長斉藤満が就任し、株式会社斎藤製作所へ商号を変更しました。「他にないエンジンを独創的な構造とアイデアで実現し、モデラーの夢を叶える」というスタンスは変わる事なく、2007年、当初開発は難しいとされていた”4サイクル・ガソリンエンジン”を市場に先駆けて発表。今では低燃費、高耐久性を誇るガソリンエンジンは単気筒、2気筒、3気筒、5気筒とラインナップを広げ、世界中に新たなファンが増えています。